MZ second FILE 12【続・未練】 |
File 10 [ 未練 ] の、その後・・・ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 それからしばらくご無沙汰していた車屋 別に怖くて行かなかった訳ではなくカロリー不足から来る夏バテと言う・・ えらく人間らしいダルさからの行動力不足でゴロゴロしていた。 一週間ほどたった日、仕事も終わり何となく出かけてみた すでに前回の恐怖は忘れていた とは言えバテぎみで奥の事務所のソファーでグタ〜っとしていた しばらくして若いスタッフと店長は「じゃHIROさん、また」と言って帰っていった 残ったのは前回のスタッフと私・・・ またこの二人だ なんか・・このパターンは・・。 そのスタッフは明日車検を控えたアルファロメオの、タイミングベルトとタイヤ組み換えを 今夜中にやると言う。 事務所で少し話した後作業に入ろうとしたので 「じゃ俺、かったるいし 帰るわ」 と言うと 「ええ〜、一人じゃやだからいてよ!」と言われ 仕方ないので一緒に裏のピットに行くことにした。 とは言え、やることも無いので椅子を持ち出し車の横に置き座った。 「今日は・・なんか見える?」と彼 「いや、別に・・・大丈夫じゃない?」と私 その日はまったく嫌な感じもしなかった 余談だがタイミングベルト交換と言う作業はかなり大変らしく 文字通りタイミングが狂えばエンジンはオシャカ! 手伝ってくれと言うのでベルトの位置を間違えないようにそれぞれのポイントに 掛けて行くのだが、それがまたパズルのようでエンジンの上と下から2人でえっちらおっちら 考えて見たら何で俺がこんなに苦労せにゃならんのかいな? 深夜1:00を回った頃全ての作業が終了した 「あ〜疲れた・・」 「いや〜助かった」 2人でピットの外で一服し始めたとき上でいきなり声! オエ! 私達の真上、4,5メートルと言った所 人間の声のような発音なのだが何といってるか分からない おい・おえ・ぎょえを足して3で割ったような異様な声 すぐまた オエ! 直後少し離れた所から オエッ! 何だ〜! 2人でびっくりして見上げる そのうちにあっちこっち四方八方から掛け声ののように始まった おえ オッ ギョエ! オウ オエ おう お ギョ! 完全に私達を取り囲んでいるようにすぐ上で前後左右から聞こえる かなり大きな声なので遠くに反響している 「なんだ〜これ」とスタッフ 「鳥なら見えるはず」と私・・ 実際そこはピットと駐車場のサーチライトが数機ありピットの外で作業も していたので、外の水銀灯もついておりかなりの明るさがある それにもかかわらず何も見えない、すぐ目の前の声なのに! 「そう言えば、かなり前だけど・・・これと同じ声が聞こえたことがある・・ 怖くなってその時はすぐ帰ったけど・・」と彼 その間もず〜っと聞こえる 「いくら何でも、近所の人だって気がつくだろ! こんな大きな声」と私 囲まれているようで身動きできない2人。 イメージ的には「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆(魔法使い)の召使 のダルマみたいな顔3つの声と同じイメージ。 とりあえずそのまま2人で後ずさりしピットに入る すかさずシャッターを下ろし裏のドアから建物続きに事務所に逃げた! そのまま事務所前に止めてあった自分の車に乗り込み逃げるように帰った 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [戻る] |