MZ second  
FILE 11【指】
 File bU [ 実在 ]の 「T」氏 の体験
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かなりの霊感を持っているT氏だが、今年になってからあまり見える事は無かったという
彼いわく、バイオリズムみたいなもので敏感になる時期とそうでない期間があると言う
今年は余り感じる事が無かったという彼だが、その時期に入ったようだ
先日のこと、夜自宅アパートでパソコンをしていてタバコが切れたことに気がついた
近くのコンビニにタバコを買いに家を出たと言う
彼のアパートからコンビニまでは2,3分
裏路地にあるアパートから表通りに出ればコンビニなのだが裏路地の夜は街頭も無く
かなり暗い曲がりくねった道。
何事もなくコンビニに着きタバコを買い引き返した
来たときと同じ道、角を1つ2つ曲がりアパートが見えてきた
直線に入りアパートの3軒手前の家に来たときのこと
いつも見慣れているその家の門柱・・・ 両側に2つある門柱が3つ見えたと言う
「あれ?」 と思い通り過ぎながらじ〜っと見ると
門柱と思っていた所に「おじさん」が立っていた
人だと思っていなかった彼は飛び上がるほど驚いた、予期ていなかっただけに
かなりオーバーリアクションで驚いたそうだ。
思わずペコッと頭を下げた
しかしそのおじさんは身動き一つせず直立不動でじっと見つめている
おじさんは全身門柱のコンクリートと同じ灰色で
後ろの家の明かりが、体の向こうに透けて見えているのに気がつき
初めて霊であることに気がついた
あまりの恐怖に走り帰った
アパートに入り鍵をかけタバコに火をつけ落ち着き忘れようと努力した
しばらくの後、布団に入り寝ることにした
寝室の片方の壁際に布団を寄せて、左が壁で右側に扇風機を固定で足元に向けて寝る
うとうとしだした頃、左の壁際から顔に風が当たるのを感じた
右側の扇風機の風が反射して来ているのだろうと最初は思っていた
しかし風にしてはあまり涼しくない・・・
眠気も覚め顔に当たるものに意識を集中
 指だ・・・ ゆびが顔をなでている!
はっきり4本の指で頬を下から上になで上げている
さすがに怖くて目を開けることが出来なかったと言う
それは暫く続いたがそのうちなくなった
そのままで、寝ることも目を開ける事もできず朝を迎えた
寝不足で仕事にに出かけた彼は、会社の営業者で取引先に出かけたと言う
車で走りはじめてから助手席側のボディーに「カツ カツ」 と
何かが当たっているような音が聞こえていたが石か何かが当たったんだろう
と気にもせず、そのまま市内を走行し続けた
信号待ちで止まった時後ろのトランク付近でまた「カツ カツ」 とさっきと同じ
音がしたのでバック ミラーで覗いて見たが別に異変もなくまた走り始めた
直後今度は運転席側のボディーに音が移動してきた
「カツカツ  ・・カツ  カンカン!」
[ 何の音だ?]
明らかに意図的な音に嫌な感じを持ちつつドアミラーで後ろを確認した
なんと、ひじから先の腕がボディーに張り付き後部座席のドア辺りの窓を
爪でカツカツ叩いているのが見えた

対向車や後続車には見えね〜んか?!
恐怖心の中、心の中でそう叫んだと言う
ミラー越しの手は、まるで指が足のように「カタカタカタ」と運転席に向かって来たと言う
思わず 「ウワッ!!」 と顔を背け車を止めた
恐る恐るミラーを見るとすでに消えていたと言う
その日以来、彼は右肩に痛いような重さを感じていると言う
私のサロンの客待ちでソファーに座りながらそんな話をした彼は時計を見て
「あ、こんな時間だ・・会社に戻らなくちゃ」 と席を立った
靴を履きドアを開けながら言った
「あ〜・・・ 肩が軽くなった。 いや良かった良かった!」

   ・・・・・・・・・

その夜、夜中寝ていた私は肩から首にかけての激痛に目が覚めた
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今これを書いている私の右肩は筋が吊ったような痛さと戦っている

   T君  覚えてろよ!

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