体験談V 心霊の世界
FILE 175【幼子の合掌】 
人里離れた森の中にあるとある廃墟
その建物のお祓いを頼まれた時の事。
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写真の場所と本文とは無関係です
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立派な作りの日本家屋でしたが、家族はその地を離れてから長い年月
人が住まなくなった建物は特に老朽化が早く瓦はぬけ落ち壁は崩れ落ちていた。
それでも柱はしっかりと家を支えていたが、まるで全ての負を家が引き受けて
いるかのようなたたずまいを見せていた。
依頼者が用意していた小さな机にはこぼれんばかりの供物
お祓いの準備をしながら、見上げる家はそれでもどっしりと構えている。
恐ろしいほどの静寂
そして囲むように関係するご霊さま

依頼者ご家族さまも勢ぞろいする中、どうしてもお伝えしたかった事
それは、何か悪い事があるからご供養するのではなく
そこに心を向ける事、感謝する事がご供養には一番大切な事
それが故に心にその時々得たであろう時に感謝し、
そしてお役目を終えていただく。
そう言う想いを送る事がご供養となるのです。

お人形もそう、お守りもそう、古い着物も使わなくなった物もそう。
その時の自分にとってとても大切にしていた思い入れがあるものであれば尚更です。
しっかりと心を向けて感謝をし、そして今必要が無いのであればしっかりお別れする
そう言う心でご供養なさる時、そこにオカルト的な悪いイメージの出来事は起こりません。
なぜならば、負の流れは負の心にしか影響できないからです。

おかっぱの髪の毛の女の子と言う定番の姿がございます。
日本人形等のイメージから割りと多く想像されるご霊さまですが
例えば私の経験から申せば、童子であったり神仏的な存在である事も多いです。
山などでは割と見守る姿として現れる事もあるのです。
もちろん全てがそうだと言っている訳ではなく
そう言う存在もいらっしゃると言う事です。
つまり、映るもの聞くもの全てをイメージで当てはめてしまうと、
単に恐いとしか感じなくなってしまうと言うこと。

さて、建物のお祓いを終えると依頼者さまとご家族皆様笑顔となりました。
小さなお子様(ご家族様のね)もいらっしゃいましたが
最後まで横一列に並び、その小さな手でしっかり合掌しておりました。
その心を養ったのは親であり、ご両親もまたそう言う姿を見せる事で無意識に
敬う事の大切さを学ばせているのですね。
思わず笑顔で子供に合掌してしまいました!

近く廃墟は取り壊されるそうで、多くのご霊さまも見守っていたのですね。