体験談V 心霊の世界
FILE 163【笑顔のお別れ 
過去何度か書いた事のある、どこの誰かも知らないおばあちゃんとの
ご縁を書いた事があります。
とある施設の待合で一緒になったのが縁で、その後、年に2,3度偶然あちこちで
出会う事のあったおばあちゃんがいた。
杖をつきながら、ゆっくりゆっくり歩きながら
少女のような仕草を見せるおばあちゃんだった。
癌が全身に転移しているので手術もできないのよと笑いながら、
本当に穏やかに話をしたのが最後の会話となった。


先日とある老夫婦の相談を受けた
色々とお話する中で、最近亡くなってしまったお友達と言う方のお話が出ました。
聞いていると私が時折お会いしていたそのおばあちゃんだったのです。

「そうですか・・・亡くなったのですか、ご縁があって時々お話する事があったのですよ」
と言うと老夫婦も驚いていましたが、そもそも私を知るきっかけを作ったのも
そのおばあちゃんだったようです
生前、お不動様のお話をした事があり、それを老夫婦とのお茶のみ話の中でしていたようです)

病気を悲観することなく、自分の一つとして受け入れ
最後まで自分らしさをまったく失わず、人に対して礼儀正しく
何事にも動じる事のないおばあちゃんでした。

「この年になるとね^^、色々と分かる事があるのよ  不思議ね〜」
そう言う時の顔がいっそう穏やかで、本当に菩薩様のような方でした。

「もう一度お会いしたかったのですよ」と私が言い
亡くなられたおばあちゃんの話はそこで一区切りとなりました。

さて、誰もそうですが自分の人生を生きて行く中で、その人の中に
それまで培った経験と自分の感性で積み重ねた今があります。
私はそれを否定するつもりもなければ、意見するつもりも毛頭なく
ましてそんな事をできる人間でもございません。
その方の考えは尊重しますし、その方の信ずるものも、そのままで良いと常に思います。

あからさまに「霊」などと言う話をしてもそれは聞く人によって
拒否反応を見せる方もいらっしゃいます。
とても沢山のお話をしながら、老夫婦のこれまでの出来事も沢山聞かせて頂きました。
除霊だの浄化だのは一切する事なく、穏やかな時間を共有させていただきました。
沢山の質問もありがたく頂きながら、私は自分を導いてくれる方々のアドバイスを
素直にそのままお話する事で、最後は夫婦の笑顔を見させていただきました。
ご縁をいただきましたので、いずれ何度もお話をする機会が巡るでしょうから
ゆっくりとお付き合いして行ければ良いと思っていましたので
浄霊等一切すること無く。


ところが翌日の朝早くに電話が鳴りました
出ると昨日の老夫婦の旦那様が電話口でこう言うのです
「妻が起きて来て椅子に座ったまま急に体が動かなくなってしまった・・・
 どうしたら良いだろうか」 と。
状態を聞くと話は出来るし痛みも無いが、体が動かせないと言う
自分で急病等ではない事も分かっており、
とにかくすぐに私を呼んでほしいと繰り返しているらしい。
すぐ行く事を伝え、本尊の前でお力をお借りし車で1時間ほど走る。
家に入ると旦那様がおろおろと^^。
案内され奥のリビングに入ると、椅子に座った奥様が前のめりに固まったまま!
しゃがみこんで奥様の目を見ながら「大丈夫ですか?」と聞くと
「動かない・・・」と一点を見つめたまま。
「ずっとままの状態なんです・・・」とおじいさん
「大丈夫ですよ、今から気を通しますからすぐ動けるようになります」と伝え
30秒ほど気を通した。
その間、旦那様はなんと手を合わせていました^^)
と言うのは前日のお話の中で、旦那様これまで
何事にも手を合わせた事が無い言っていましたので。

「はい、起きてください、もう大丈夫!」と私が言うと
奥様自分でスッと起き上がり、自分で歩きソファーに移動して腰を下ろしました
「あれ?動いた」と旦那様の方がびっくり。

実は、私が気を通そうとした瞬間にニコっと笑顔の女性が消えて行きました。
別に憑依とか霊障と言う訳ではないのです。

「手を合わせると言うのは何に手を合わせれば良いのでしょうか?」と奥様。
実は前日のお話の中で、ご夫婦共に
「どうしても手を合わせたくないと言う気持ちが抜けない」とおっしゃっていました。
過去、宗教団体等のからみでとても嫌な思いを沢山してきたのです。
それゆえそう言う事を連想する全ての行いをしたく無いと思うようになっていたようです。

人の決め事云々など、どうでも良い事で、
目の前にある窓の外にある田畑、山、空気・空・雲・そして太陽月、
それらの中で今自分が生きている事を毎朝感じる時間を大切にする
空の広さを感じる時、自分もその中の小さな小さな一つであると思える事があります。
環境やしている事がそれぞれ違っても、そこにはそこの中で思えるつながりがあります。
どこであれ、何であれ、必ずそう言う事を自分の中で意識したり感じるように
挫折や苦が題材として目の前に現れると捉えて見るとちょっと意識が変わるかもしれません。
その時、面倒だったり投げ出すと解決しないまま新しい難題が渡されてしまうものです。

〜〜〜
何となくありがたいな〜と手を合わせたくなったら合わせれば良いですし
別にあわせなくとも、心の中で穏やかな心地となるのであればそれで良いのですよ
そうお話するとそれまでとは違う力の抜けた優しいお顔をされました。
                                       〜〜〜


実は亡くなったあのおばあちゃんがご挨拶がてらお手伝いしてくれたのですね^^
そう言う意味では老夫婦にとってはこれもありがたい出来事となるのです
もちろん私、神島千尋にとっても。

合掌