体験談V 心霊の世界
FILE 138【回想】 
北陸のとあるお宅に伺った時の事。
近くに神社さまがあり、そのご家と古くから繋がりのあるぞの神社へ
ご家族さまの案内で行く事になった。
のどかな風景の中、ちょっと気になる空き地があり、そこにぽつんと一つお地蔵様。
とても気になったので、神社から戻る際その空き地に一人立ち寄った。
負の気を感じながらもお地蔵様に手を合わせると後ろから神社へ案内してくれた
ご家族様がゆっくり近寄り空き地の手前で止まっていた。
そこだけ他と違い、一切の気の流れが無くただ重い空気だけが包んでいた。

その昔、そこにはある家族がいたそうだ。
おばあさん、父親、母親、二人の娘の5人家族だったそうだ。
問題は亡くなっていたおばあさん。
欲が深く、親戚の家に出かけては古美術や家宝等を研究したいと言っては
持ち出してはそのまま返さずを繰り返し、同じく土地田畑もうまい話にのせて
時には騙してまで売らせ、売ったお金は一部しか渡さず、大金を自分のものに
してしまうなど、今ではそう簡単に行くはずも無い話ではあるが
戦後の復興の中では珍しくない事だったのでしょう。
その甲斐あって?か、資産家的な立場からその頃田舎では発言力もあったとの事。
おばあさんが亡くなってからは早かった。
母は病死、父は保証人で大きな借金をかかえ2,3年で病死
姉妹も二十代で二人とも無くなり、その家は絶えてしまった。
先祖も含め一族の未成霊が大きく関わっていた事は間違いないが、
そこに到るまでには何度も気が付く出来事があったはずである。
その土地も売りに出されていたが契約の段階で破棄を繰り返し今では放置状態。
このお地蔵様も誰が祀ったのか、ご近所誰も知らないそうだ。


せめてもと・・・静かに合掌だけさせていただきました。