MZ second FILE 84【鈴、再び・・・】 |
「Mちゃんの”鈴”の語り中、2階で鈴鳴らしてたよね?J君、あれ良かったよ」 「鈴の音は聞えてましたけど・・・ 俺じゃないですよ ・・・」 ピンスポで体験談の語りが始まった瞬間から、鈴が会場内で響いていた 私は J君(照明担当)が2階照明ブースで鳴らしていると思っていた なぜなら、事前の打ち合わせ会議等で鈴でも鳴らしましょうか?と言っていたからだ しかし、当日は誰もそんな余裕もなく自分の仕事で精一杯だった J君も2階照明ブースで会場の中に響く鈴を聞き、スタッフの誰かが 鳴らしてくれているのだと思ったそうだ 私はその時ステージ脇で語りの終了と同時に入れる、最後のナレーション体制に 入りながら、「語り」を聞いていた。 知っている方もいたと思うが「鈴」の体験談は実は私の体験談であり 鈴の話には特別な思い入れがある 日テレのスタジオ撮影の時、実はこの話もしたのだがのだが 放送ではカットになってしまった (ミステリーゾーン1 【メッセージ】参照) 真っ暗で静まり返った会場内で語りのみの中もあり、とにかく鈴の音が 良く聞えたのを覚えている 後にスタッフの殆どがその鈴を耳にしていた 実は効果音として鈴の音を用意していた ステージ下の映像用のPCで鳴らせるようにしてあったのだ。 打ち合わせでは語り終了直後に一回のみ響かせようと言う事になっていた しかしその鈴の音ではなく、2階照明ブースのJ君が鳴らしていると思ったのは 規則性のある同じ繰り返しの機械的な鈴の音では無かった事と 音がスピーカーから聞えてはいなかったからだ。 |
佐久勤労者福祉センターのホールは、音響が県下でも随一の設備を誇り 音楽演奏会や音響を使う公演には最高の施設である。 そのスピーカーから聞える音と、聞えてくる位置はステージ上にいると はっきり違いが分かる。 会場内では全面から音が耳に入り込むが、ステージ上はスピーカーの後ろにいるのと 同じで、実は少しこもって聞えて来る。 宗優子さんと私の会話の行き違いが起きたが、実はステージ上でマイクを使い 会話していた私・宗さん・神島さんは、お互い相手の言っている事が良く聞えない 状態のまま、40分間も進行していたのである。 つまり、生の音とスピーカーから出ている音ははっきり違いがあり 語りの最中響いていた鈴は生の音であり規則性の無いなり方だった 人が手で振って鳴らしている不規則な音だったのでJ君が鳴らしていると思ったのだ 見にきていた来場者の方も聞えていたそうだ スタッフ主演者誰も「鈴」を鳴らしていない事は確認済みである 私はリハから、この語りを聞く度に、胸にグッと来てしまう感情を殺していたが おばちゃんが再び鈴の音を届けてくれたのかもしれないと思っている そしてもう一つ・・・・ 本番中ステージ上で気が付いた おばちゃんの息子さんが観客席に座っていた事を。 [戻る] |