MZ second  
FILE 71【非通知コール】  
その廃ホテルはミステリースポットとして若い人の間では有名らしい
国道から少し外れた木々の中にある
私もそこは知っているが、私が知っているのは
まだホテルとして営業していた頃の事・・・・

廃業したのち面白がってホテルに深夜入り込んだ数人がいた
中を固まり少しづつ奥へ進んでいく
すでに以前誰かが入りこんだのか落書きや
残っている備品が壊れて散乱していた
一通り回り終わり、徐々に暗闇にも慣れた頃恐怖心も薄らいだ
それぞれがあちこち覗き込んだりタバコを吸ったり・・・
そんな中携帯電話が鳴った
一瞬皆の動きが止まる・・・・
「びっくりした〜!」持ち主が笑いながら携帯を取り出す
「非通知だよ・・・・誰だ?」そう言いながら通話を押した
何も言わない・・・・と言うより無音のような電話だったと言う
そしてかすかに女の人の薄ら笑いのような声
気味が悪くなり廃ホテルを後にした彼らは帰り道で大事故を起こした。
その廃ホテルに入ると必ず携帯電話が鳴る
でも絶対電話に出ちゃダメ! でると事故を起こすから・・・

↑これはある女性が私に話してくれたそのホテルにまつわる噂話
彼女も彼と何人かの友人で行った事があるそうだ
中に入りしばらくしても電話が鳴らないので
「そんなの嘘だよ!」と言った矢先一緒に行った友人の
携帯電話が非通知で鳴ったそうだ
あまりのタイミングに全員そのまま逃げるように帰ってきたと言う
もちろん電話には出なかったそうだ

まあ良くある話ではある
たまたま誰かが非通知で電話して来ただけと言えばそれまでだが
この話を聞いた時・・・ある事を思い出した
18の夏、学校の友人と3人で出かけた時のこと
出かけたのがすでに夜だったので帰りは深夜3時頃だったと思う
私は後部座席に乗っていたのだが、運転をしていた知人が何か嫌な感じがする
としきりに言いだし、スピードを上げかなり運転が荒くなっていた
裏道を行こうとわき道を走っていたが突然急ブレーキで停車した
「うわ〜・・・・」と怯えたような声を出した運転手に驚き彼の指差す方向を
私と助手席の2人が窓から覗くと、建物の屋根の上に
真っ白い服装の上半身だけの女の人がユラユラと立っていた
助手席の友人ははじめ気が付かず「え?何?どこどこ?」と言っていたが
突然無言になった。
そのまま運転していた知人は一気に車を走らせ無謀とも思える運転を続け
最後は白煙を上げ停車した。

そう・・・・その霊を視たすぐ向こうに今は廃業したそのホテルがある

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先日友人からこんなメールが来た
>昨日ごめんね、仕事中だったので出れなかったけど何?
電話して何の事か聞くと、私の家の番号で着信があったという
そしてその後、別の知人からも同様の連絡が来た
携帯なら間違って押してしまう事もあるだろうが家の番号となると。
どちらも最近家の電話からかけていないのでリダイヤルはあり得ないし
もちろん短縮ダイヤルの設定もしていないのだが・・・・・



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