MZ second  
FILE 67【無題】
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品の中にあるメッセージがあると言うテレビ番組を見た
ダヴィンチコードなる本が脚光を浴びているそうだ
作品に秘めたメッセージ・脅威ともいえる発明案・そして予言とも思われる晩年の12枚の絵

・・・ひとつだけ触れられていない事がある
   ダヴィンチがあれだけ明確に未来のビジョンを表現出来たのはなぜか
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犬が飛び出したのに驚いて急ブレーキかけたんだ
ほんとびっくりしちゃって心臓ドキドキ
そしたらさ、犬が飛び出した道からヒョイっと子供が飛び出してきてさ・・・
犬飛び出さなかったら子供やばかったよ。
その子供そのまま一人で道走っていったんだけど
でもさ・・・・その飛び出した犬、いないんだよねどこにも

かわいがられていた犬は、いつも遊んでくれていたその子供を危険から守った
子供から見た場合、友達の家に遊びに行く途中の交差点でブレーキの音がした
「なんだ!」と思いながら目の前の交差点に来ると車が止まっていた
ただそれだけの事。
その子にとっては友達と会う頃には忘れてしまう程度の出来事でしかない

全ての事に意味があると最近私は思っている
ある映画をレンタルしてきた
タイトルも見ずになんとなく手に取った一本のDVD
帰宅後テレビを見ながらふと思った事
「人は死の瞬間、何処にいるのか分からなくなるんだろうな
 理解するまでとても長い時間をかけ・・・
 さ迷ったり救われたり絶望したり悟ったり
 でもそれはこちら側で見ると例えば亡くなる瞬間の
 ほんの数秒の出来事なのかもしれない」
しばらく更新できていないが「ミステリーの扉」的にと言う訳ではないが
そんな思いが頭の中であっという間にまとまった。
その時ダヴィンチの謎解きの番組が始まった
何気なく見ていた私だったが、その内容は興味深くのめり込むように見入った
最後の晩餐にダヴィンチが込めたであろううメッセージを解き明かすと言うものだったが
私は、ダヴィンチが晩年をすごしたクロ・リュセの館で描いた12枚のスケッチと彼の自画像
彼のスケッチは今起きている自然災害をまるで予言したかのような描写だった
そして思った
彼は瞑想していたのではなく、時空を超えて未来を見ていたのだと
また何を・・・と思われるかもしれないが、人は誰でも空想や想像をする
例えば自分を主人公に頭の中で物語を思い描いているとする
身近な人や実際にある物を取り入れてストーリーを進めていくでしょう
そして、実際には手に入らない物や欲しい物もそこでは自由に取り入れる事が出来る
ダヴィンチは、そこに無い物を頭の中で完璧に立体化させることが出来た天才なら
彼の思い描いた未来も今私達がいる世界とほぼ同じ図式になっても不思議ではない

本来空想と言うのは自分中心にある一つの目的に沿った方向にしか進まないが
ダヴィンチは世界を一つに考え、立体的に頭の中で時空を進めて行く感覚で
未来を見たのかもしれない、それもほぼ完璧に
そして彼の行き着いた結末はまさに今起こっている事そのものだったとしたら
彼が天才と呼ばれるのも当たり前に思えてくる。

一人でそんな事を考えながら、番組終了後借りてきたDVDをプレイヤーに入れた
そしてその映画を見て驚いた
ついさっき私がふと思った事をそのまま映画にしたような内容であったからだ
妻と子の死のショックから拳銃で頭を撃ち自殺する男
頭を打ちぬき心臓が停止するまでのほんのわずかな時間の中で
男の魂が体験する世界を描いた話

なぜ今この映画なのか
選んだ訳ではない・・・
たまたまあったから手を出しただけ
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  2月末、親友が亡くなった
  
  全ての事に意味があるなら
  そのなかのほんの少しでもいい
  その意味を悟れていたら・・・・
  私はなんて無力なんだろう
  私はなんて意味のない生き方をしているのだろう
  そんな自分を情けなく思う。


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