MZ second  
FILE 62【守護霊の警告】
その時のショックは凄まじく、私の車に同乗していた人は
  ・・・信じられないと言う表情で言葉を失った
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以前の私なら逆上していたであろうが何故か不思議に怒りが沸いてこなかった
むしろその行為を行った相手に「何も無ければいいが・・・」と同情さえ覚えた。

12月は忘年会シーズン
仕事の関係で今年主催側だった私は夕方から某ホテルの会場で
役員数名と準備を行っていた。
抽選用の景品を並べ出席者を出迎え、2時間ほどの宴席は盛況に終わった
終了後反省会と称し繁華街に繰り出すことになった
2,3台の車に分乗する事になり、自分の車で来ていたためお酒を
飲んでいなかった私も自分の車を出した
同じく主催側の一人が私の車の助手席に乗り込み一番最後から付いて行こうと
他の車が先に行くのを待った。
まもなく車が会場の広い駐車場を出たのでその後を行こうとギアをドライブに入れた
ブレーキを放しアクセルを軽く踏んだ
普通なら当たり前のようにスッと動き出すはずなのだが・・・・
   ? 動かない・・・  えっ?
再度ブレーキを踏みギアを見る・・・ドライブに入ってる
「行こうよ・・・」 と助手席の声
「・・うん」と答えながらサイドアクセルを踏んだ
   ・・・・やはり動かない
と言うよりまるで見えない壁に前が当たっていて動こうとしているのに
それ以上前に出ないような揺れが車を襲った!
「えっ? なに?」 おかしな動きを感じたのか助手席の友人も身構えた
「・・・あれ〜・・・何だ?変だぞ!」
そう言いながら私が再度強くアクセルを踏み込んだ直後の事だった
車の左側後部タイヤ辺り(左ハンドルなので運転席側の後輪)が何と宙に浮いた
かなりの角度で上に浮きしばらくの後ど〜ん!と勢いよく落ちたのである

あまりの落下のショックと予想外の出来事に2人共顔を見合わせた
「すごかったね・・・今の・・・」と私が口を開く
「半端じゃないよ」と助手席の彼
そして同時に車を降り私は運転席側、彼は助手席側にしゃがみこみ双方から
覗き込んで見た
しかしタイヤはもちろん車の下には何も無かった
「あれだけのショックだから、よほど下に何か無きゃ あ〜はならないよね」と向こうから彼
車前に出してみようと言う事で数メートル前に出し今止めていた所を2人で見たが何も無かった
大手のホテルなので駐車場も綺麗に整備されている
しかし2人でしゃがみ地面を見渡したが小石一つすら落ちていなかった。
「なんだ?気持ち悪〜」と彼が言った時、私は嫌な予感がした
とりあえず車に乗り込み2次会会場に向かおうと駐車場を出た
「HIRO君といると本当に不思議な事ばかりだよね・・・うわ〜寒気する」と言う彼
「守ってくれてる人が俺に行くなって事を伝えたんだと思うよ・・・
 車に何かなければいいけど・・・気をつけよう!」
帰れればそれに越したことは無いが、行くと約束した以上行かないわけにもいかない

2次会会場近くには無料駐車場もあるが有料駐車場に入れる事にした
奥は避け入り口すぐ脇に空いているスペースがありそこに入れ2次会に出た
2時間ほど後先ほどの彼ともう一人がさらに乗ることになり3人で車に乗ろうとして愕然とした
左側後部のタイヤを中心に(後部座席ドア下部・タイヤハウス上部・後部バンパー付け根)
これでもかと言う位に傷を付けられていた
10円パンチなんて物ではなく多分車のキーか何かで数十回以上上下させなければ出来ない
ような傷がついていた。
「うわっ・・・これはご丁寧にやったね・・・」と苦笑いの私
「これだったんだ、あの時のは・・・」と彼が言った
たしかに宙に浮いた所でありそれ以外には傷が無かった
考えて見ればそれ以上無いであろう方法で教えてくれていたにも関わらず・・・・
なんて未熟なんだろうと自分の未熟を思い知らされた。

不思議な事に怒りと言うものが沸いてこなかった
これだけ傷を付けるにはしばらくここにしゃがみこんできっとドキドキしながら
一生懸命やったのだろうと想像できるが、その光景を頭に描くと何か
かわいそうな人にさえ思えてしまった
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人が苦労をして手に入れた物や、丹精込めて作った物を盗んだり
故意に壊したりと言う事が昔から無いわけではない
最近は米泥棒や、中には収穫直前の農作物や果物を畑から盗まれると言う事件もある
その瞬間儲かるだけ
その瞬間気が晴れるだけ
昔私は沢山悪いこともしたし、人も傷つけたし、美味しくないご飯も食べました
経験から言えば必ず行った事に対してそれ相当の返りが生まれます
自分だけで済めばまだしも末代まで影響の出るような事さえあるのです。

その頃の勝手だった自分が思ったのは
「なんでこんなに俺って運が悪いのか」
「なんでこんなに苦しい事ばかりなんだ」
「金ねーつまんねーめんどくせー」

今もお金はまったくありません
しかし考え方がまったく変わりました、これは以前にも触れたようにめぐり合った人達の
おかげだと毎日本当に感謝しています
毎朝お仏壇に手を合わせていると、最近2歳の息子が横に座り一緒に手を合わせ
背筋を伸ばしてじっと目を瞑りにゃむにゃむ言うのを見ると笑ってしまいます


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