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FILE 59【黒髪の女】後編
長い道のりを「k」と2人で向かった
その家に着いたのはpm7:00で辺りは完全に闇に包まれていた
駐車場に車を止めると電話を入れた本人(以後A君)が出てきた
A君の横には彼の彼女が並んでいた
挨拶をした後20メートルほど先のA君家に向かった
そして敷地に入った時気配を感じ振り向いた
20メートルほど手前に先ほど止めたKの車があり
そのすぐ横をシルエットで走り去る若い男性・・・
黒っぽい服装・・・短い髪・・・ 出入りしていた霊だ!
一瞬の出来後だった・・・
そして立ち止まっていたその場所こそ、黒い髪の女がいた”そこ”・・・だった
前を向き直しその場でしばらく視波を広げる 
「ここはいつ通っても怖い感じがするんですよ」 突然A君が切り出しフッと視界が戻る
前回ここで視た女性の事、そして家の裏側から出入りした男性について話した

家に入る前、A君が心配そうに言った
「家族全員何らかの存在を見たり感じたりしているが、父親だけはまったく信じていないので
 父親には分からないようにしてほしい」・・・・と

彼の部屋は2階にあり、4人はそのまま2階の彼の部屋に入った
まず目に入ったのは部屋の水槽・・・金魚が数匹いたが水は濁っている
そして・・・こう言う言い方は好きではないが霊が好みそうな部屋である
「水槽の水、変えてもすぐ汚れるでしょ」私が聞くと
「そうなんです、すぐ濁っちゃうんですよ」とA君
不成仏の存在が濁らせる事は多いし、何より私本人それは身をもって体験している。

父親が1階にいたので、2階を少し見せてもらった
彼の隣の部屋はリビングになっていたが、そこにお仏壇があった
聞くと1階にもお仏壇があると言う
家のお仏壇は1階にあり、2階のお仏壇は両親が信仰している宗教のお仏壇だと言う。
そしてトイレを覗いた時ある事に気がついた
そこだけ空気がまったく違う・・・・異空間と言っても過言ではない程どんよりと・・・
A君もトイレには異常な雰囲気を感じていると言う
そして霊を見た所と嫌な感じのする所が一直線である事を伝えるとその意味を察したようだ
彼の部屋に戻り、部屋の窓を開けしばらく空間を眺めていた
ときおり下に動く気配を感じ見るが、その動きから低級霊であると思われた
部屋の窓からほぼ正面の方向が何故か気になっておりしばらく見ていたが
寒気でかなり寒かった為窓をしめ座った。
「お墓は?」と聞くとやはり正面方向だった
それからA君は待っていたかのように今まで体験した事をとめどなく語った
彼の恐怖体験は通常のレベルを超えており、それは彼の霊感にかなり絡んでいた
私が前回来た時に視た男性と黒い髪の女性について話すとまったく容姿の同じ霊を
A君も見ている事が分かった。
そしてA君は黒い髪の女を見たとき「首が曲がっていた」としきりに繰り返した
実際私の横に来た時も首を傾け覗き込むように立っていた・・・・
彼は心霊スポットが好きなようで良く出かけていたと言う
かなりもらい易いのは容易に想像できる
実際話を聞いているとその殆どが連れてきたか、ついて来てしまった霊である

不思議な事に嫌な気配はあっても敵意(あえてそう表現する)を一切感じなかった
と言うより彼の話したそれらの霊はすでに家にはいなかった
その時先ほど開けた窓が気になり振り向いた
  「来た・・・・」 カメラを取った
窓に行き開け放ちしばらく正面を見ているとオーブが数メートル前を飛んでいるのに
気がつきすぐにシャッターを切った。
私の場合必ず写真を撮る、そしてそれを本人に見せる。
話をするより実際見せたほうが分かりやすいからだ。
場合によるが、写真を撮っていると寄ってくる事がある
今回もその後おびただしい数のオーブが写った。

余談になるが撮影したオーブは実際とは少し違う
言葉で表現するのは難しいが・・・
例えるなら蛍を強くしたと言うのが一番近いのかもしれない(あくまで例えるならである)
もちろん魂や霊(幽)体の強さ・念等で大きさや色が違うのは言うまでも無い。
はっきり視えるものは写してもやはりはっきり発球(白が多い)として写る。
↓窓から空に向かい写したもの

その後私一人で外に出て家の周りを一回りした
黒い髪の女がどうしても気になったからだが・・・まったく姿を現さなかった
その後戻りA君とKを連れて再度外に出た
黒い髪の女を視た所まで来た時、一角だけ異常に暗い闇に気がついた
その異変に最初に反応したのがKだった
「そこ・・・何かすごい寒気を感じるけど・・・」
その一角が私の言う闇だった
A君も感じたようで「何かいますよね・・・」と呟いた
深い闇・・・・しかしそれでも何かはまだ分からなかった
そのまま通りに出て角を曲がり家の裏側に回った
塩をまきながら手を合わる
そして顔を上げたとき2階の窓から覗く視線を感じた
はじめは骸骨のように感じた顔だったが、次第にはっきり視えはじめた
とても特徴のある目をした顔(詳細は伏せる)でしきりに何かをしゃべっている
一生懸命何かを訴えているのかパクパク口が動いているのに
言葉が一切こちらに伝わってこない

その窓の下まで行き「伝えたい事があるなら聞きますよ」と伝えるとさらに何かを
言ってきた・・・・言葉はやはり出てこなかったがこの家に近い存在である事が分かった
そして何を心配しているかを理解した時その男性は屋根伝いにフッと消えた
「今飛んだの見た?」と私が振り向いて2人に聞くと
「あっ・・・白いようなものですよね」とA君がその方向を指をさした
とりあえず部屋に戻ろうと角を戻り家の敷地に入る
闇の場所の前までに来た時に先ほどまでの暗闇がまったく無くなっている事に気がついた
「さっきの寒気なくなってない?」私が言うと
「あ〜・・・全然嫌な感じなくなった」とKが答えた
その直後突然「井戸」のイメージが頭に浮かんだ・・・・一瞬の事だった
しかしそれは頭から離れなかった

彼の部屋に戻ると彼女が一人で心配そうにちょこんと座っていた
少し彼女と話をすると、まだ若い彼女だが毎日お仏壇にお線香をあげていると言う
大好きだったおじいちゃんの為にとお墓にもちょくちょく行くそうだ
道理で彼女をほんわかと言うかとても暖かいイメージが包んでいる訳だ
それが結果的にA君をも守る力になっているようだ
多分A君は彼女とお付き合いしてから身の回りに悪い事を
感じなくなっているのではと思う。

その後、A君に母親を呼んでもらった
どうしても母親に伝えたい事があったからだ
お母さんが部屋に来た所で先ほどの男性について話をした
私の伝えた男性像にA君とお母さんは顔を見合わせた一人の名前を出した
喉の病気で亡くなったご親族だった
それから2時間ほどかけそれら全てをお伝えし話をした
  プライバシーの関係上詳細は伏せさせて頂きます
お母さんとA君はとても納得してくれた
実は話の途中から私は背中に圧迫感を覚え始め、胸がかなり苦しくなっていた。
話をするのも少しきつい状況に陥っていたのだ
そこで気になっていた井戸の話を切り出した
確かに昔井戸があったがしっかりお払いをして埋めたので問題は無いとお母さんは言った
黒い髪の女性に私はまったく恐怖感が浮かばず、どちらかと言うと
おとなしい人と言うか言いたい事もこらえてしまうタイプの女性であり
物静かな感じである事を伝えると突然「あっ!」とお母さんが思い出したように声を上げた
「かなり昔、ご近所で若くして井戸に身を投げた女性がいる・・・」そう言ってそのまま
黙ってしまった。
最後まで繋がらなかった女性と井戸が頭の中でリンクした時、胸の苦しみがスッとひいた。
「でもなぜ家に・・・・?」お母さんが呟いた
2階にあるお仏壇と関係していた
一人で悩み、事情柄誰にも相談する事が出来ずその女性は身を投げたのだろう・・・・
 これ以上は伏せます
全ての話が終わった時すでに午前零時近かった
お母さんもA君も納得してくれたようで笑顔がでていた
部屋がすごく暖かい雰囲気に包まれたのを皆が感じた
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 Kの車で長野に向け高速を飛ばした
 その車中「K」が言った一言が翌日私を苦しめた
       過去に経験したことの無い恐怖・・・・・


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