MZ second FILE 54【使徒】 |
夏の終わり・・・・ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 8月も終わろうかと言うある日の午後の出来事 ふと思い立ち日本刀を手入れし始めた 午後の日差しの中布の上に置き鞘を磨いていた そこへ何かが飛んできて本身に止まった 【なんとカブト虫である!】 何もわざわざ今手入れしている目の前のそれにとまる事もないだろうに・・・・ 思わず手を伸ばし取ろうとしたが、「好きにさせておこう」と・・・そのままにした 夏の終わり、今年最後に見るカブト虫かもしれないと思いながら。 翌日用事を頼まれ一人暮らしをしているお年寄りの家へ向かった 30分程で用事も終わり帰り道、我家の墓地の前を通った せっかく通るのだからとお墓に寄って行く事にした 石の階段を上がりお墓に入ると墓地の真ん中にぽつんと綺麗な「虫かご」が一つ あれ?・・・なんだ? 子供の忘れ物か? 透明なアクリルの虫かごの中を見るとコオロギが2匹 綺麗ではあるが雨の跳ねで飛んだ泥がついている所を見ると 何日か置きっ放しになっていたのだろう フタを空け逃がした時、前日のカブト虫を思い出した きっとこれを伝えに来たのだろう、命がけで。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [戻る] |