MZ second  
FILE 33鞭声粛々
べんせいしゅくしゅく
鞭声粛々 夜河を渡る

川中島の合戦で一番激しかったと言われる4回目の激戦「八幡原の戦い」
武田軍がとった[啄木鳥の戦法]を上杉軍が察知
濃い霧の中はち合わせた両軍は、戦国史上他に例が無いと言われる程の
激戦いを行った
千曲川雨宮の渡しを渡り兵を進める様子をうたったのが「鞭声粛々 夜河を渡る」
信玄は謙信の後ろに兵を回し追い出した所を川中島で挟み撃ちにしようとした
察した謙信は深夜2時過ぎかがり火を炊き、少数の兵を残してあたかもまだそこに
陣があるように見せかけ兵を動かした。
濃い霧の為どちらの軍も互いの所在が分からないまま突然混戦となった
双方入り乱れるなか、謙信は単身馬で信玄の本陣に乗り込み三太刀切りつけたが
信玄はこれを軍配で受け止めたと言われている
この戦いでの死者総勢1万6千とも3万とも言われている
その数を考えるだけでも壮絶な戦いであった事が分かる
1553年〜1564年までの12年間で更埴市から長野市一帯は
5回にも渡る壮絶な激戦の舞台になった
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長野県北部出身の彼女は、当時仕事の関係で軽井沢に住んでいた
休日は学生時代の友人と会う事が多かった
ある夏の休日前夜、久しぶりに旧友から連絡がありその家に行く事になった
更埴市にある友人宅へ出かける頃降りはじめた雨は
夜半にはどしゃ降りに変わったと言う
雨を避けるように飛び込んだ友人宅
懐かしさから話もはずみついつい長居してしまい結局泊まっていくことになった。
お風呂に入った後、帰る心配も無くなった事もありウトウトとしはじめた
いつしか雨も上がり山際のその家は恐ろしいほどの静けさに包まれた
雨で締めきっていた窓を開けると雨上がりと言う事もあり涼しい風が入ってきた
眠りに付こうとしていた頃フッと聞きなれない物音を耳にしたように感じた彼女は
目を閉じたまま「何だろう・・・」と思ったと言う
何か重い物を引きずるような音・・・
   ガシャ  ガシャ  ガシャ ガシャ ・・・

しかしその後そのまま聞こえなくなりまた眠りについた

    ・・・ガシャ
  それは突然だったと言う
あまりの重さに驚きカッと目をあけた彼女は恐怖のあまり動けなくなった
  鎧を身にまとった武士が体の上に立ち見下ろしていた!

その重さで息が出来ない、体も動かない、声も出せない・・・・
隣には友人が寝ているはず!
鎧の形・色・そしてそこから覗く顔まではっきり見えた
  ガシャ・・ 鎧の武士がしゃがみ顔が近づく・・
あまりの恐怖でこれ以上無いと言うほど力を込めて声を出した
  う〜っ!
次の瞬間全てが嘘のように消えたと言う・・・
実はその時見えなかったものの、隣の友人も音を耳にし恐怖を感じていたと言う
窓の外はいつしか濃い霧に包まれていたそうだ

彼女とは今の私の妻であり、くどいようだが霊やUFOを一切信じない人である
「だってそれ見たんだろ!」と聞くと
「見たよ、すんごい怖かった」と言った
「じゃ信じてるの?」と聞くと
「幻覚かもね」 ・・・訳わからん
どうやら怖い事はすべて幻覚で通すらしい (無理あると思うぞ

「なんで今まで言わなかったの?」
「忘れてた」

 あるつはいまー・・?

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以前も書いたが、私の先祖は武田信玄の家臣であった。
いわゆる中堅所で名も通っていたそうだ
川中島の合戦でも激戦のその渦中にいたと聞く

謙信の太刀を3度受けた軍配だったがキズは7ヶ所ついていた
(一説には8ヶ所とも言われている)
その一騎打ちの場所には銅像が建っている(三太刀七太刀之跡)
甲州の虎 武田信玄
越後の竜 上杉謙信
共に器と義理を重んじた2人は結局この戦で勝敗を決める事は出来なかった

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