MZ second  
FILE 13【呪縛】
一人が全員にか、複数がそれぞれにか・・・
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5歳の息子が今年からカブト虫に興味を持ち、一通りそろえた。
たまたま貰った2匹では納得せず、File 10 [ 未練 ] File 12 [ 続・未練 ]
 のスタッフが
以前から「拾うように取れる所があるから一緒に行こう」と言われていたので
行くことにした。
友人「タカ」(HN)も行きたいと言うので車屋で待ち合わせをした。
PM7:00過ぎ車屋に着いたが、そのスタッフはお客さんの所に行っていたので
暫く待つことにした。
店内にいても暇なので裏の工場に行き廃車にすると言うディアマンテで遊んでいた。
タカはその間近くで、携帯メールをしたり部品を見たりしていた
後で聞いた話だが
 File 10 [ 未練 ] &File 12 [ 続・未練 ]で私が
体験した事を、タカもその時 目の当たりにしていたと言う
彼が私のBBSに書き込んだ内容 ⇒ 
8/8投稿

スタッフも戻り仕事が終わるのを待ち、PM11:00頃出発!
向かうは佐久の中込から群馬へ抜ける裏街道「内山峠」
深夜は長距離トラックがガンガン通る道でたびたび事故も起こる。
峠道に差しかかり道路沿いの街灯や水銀灯の下を見ながら登っていく
車の中では3人であーだこーだ騒いでいたが頂上のトンネルに近付くにつれ
後ろのシートのタカが無口になった。
運転していたスタッフと助手席の私は気にせず話をしていたがトンネル手前辺りから
何か嫌なものを感じていた。
私の顔色を察したのか「
どうかした?」とスタッフが聞いてきたが
あえて何も言わなかった、なぜなら「
必ず取って来てやる」と息子に約束している手前
そんな事で帰るとか言われたら 息子に合わせる顔が無いからだ
しかし、そこで帰っていれば良かったのかも知れない・・・

ポイントはトンネルを抜けた先との事でガンガン飛ばして行った
トンネル手前で急に霧が立ち込める・・
ゆるいコーナーの先、水銀灯に照らされたトンネル入り口
中はオレンジの照明で自然に静かになる車内
トンネルの真ん中辺り・・・
前方に黒い影のような男性がトンネル右側の側壁からフッと現れた
あっ!」と思わず小さな声が出てしまった
その人影はそのまま横断しセンターラインまで来た所で消えた
すぐ後にそこを通過

   直後(やっぱり)来た・・・

首から肩にかけ筋が攣ったような痛さ、そしてず〜んと重くなる。

「う わ 〜  やべ〜・・・ 居たよ いま  きてるよ・・・おも〜 い」 だる〜い声で私が言う
「どうした!? 何かいたの?」

「 50代の男・・・ 今通り過ぎた所 」
な〜んにも感じね〜や俺、良かった! 気にもしね〜し」と余裕で強気のスタッフ
黙っていたタカが口を開く
いや実は俺、トンネルの直前から首と肩重くって・・・頭いて〜
これはヤバと思い、自分に纏わるものを 印を切りながら払うこと3回
左後ろから入ったので自分で首から何とか引っ張り出した、 
フッ と体が軽くなる
自分ばっかじゃなくて こっちに来ないように何かやってよ!」と段々弱気になるスタッフ
直後、彼はハンドルを離し急に首に手を当てた、
(そっち行っちゃったかな・・)と思ったら
何か・・は〜、 首重いよ〜・・・ 痛〜っ!」 と焦り顔に変貌したスタッフ・・・
こう言う状況の場合、目を見れば分かる
大概ダルそうでギョロっとしている (分かるかな?)
とにかくトンネルを早く抜けろ」 九字を切りながら私が言う。
その頃タカは後ろで「心ここにあらず」みたくなっていた・・・
(ごめん君を払うまでの余裕が無かった)
そのままトンネルを抜けた
その段階でタカとスタッフは同時に開放されたらしい
「あ〜・・・ だいぶ良くなった」と力無くタカ!
あ〜っ! 軽くなった!!」と首を回しながらスタッフ!
も〜勘弁してよ〜・・・なんかトンネルの辺りから重いって言うか・・・
首っつ〜か肩の辺りが痛くて・・・ 何かすげ〜怖かった!もうヤダ・・・
」とタカ
開放感からか安堵の車内
しかし・・・戻らないと帰れない
群馬へ出てバイパスから軽井沢に出る事も出来るが半端じゃなく時間がかかる
すでに深夜1:40分・・・・  暫く下ったが結局Uターン
トンネル手前まで戻ってきた。
入り口の脇に休憩用の広場があり、とりあえずそこに入った。
暗闇の広場にトラックが2,3台止まり仮眠をとっている
広場の片隅に街灯が一つ
3人とも何となく車を降り街灯の下に行く
一応カブト虫を探しちゃったりした (虫すらいない・・・)
トンネルに入りたくないからか、皆無駄と分かっていながら何時までも探していた。。
帰ろうよ・・・」とスタッフ
そうだな・・ 行こうか
重〜い足取りで車に乗る
意を決し、広場を出て目の前のトンネルに向かう
怖いからかスタッフはアクセル全開でトンネルに突入!
とにかく、居るのは分かっているので同じ繰り返しにならないように
車の両側に印を結び気持ちの上で結界を張った(つもり・・・)
トンネル中央手前で気合を入れ九字を切った。
そして例の辺り・・・
やはり居る 黒い影のようなシルエットだけの男性・・・ 
さらに・・・ 他に灰色っぽい靄のような浮遊する別の2体

 増えてるよ・・・ 最悪だ! 小声でボソッと言った
えっ!  居る? 」とスタッフ
後部座席でタカは沈黙・・・

[ 沈黙のまま 突き抜けた ]

そのままトンネルを抜けるまで誰も何も言わなかった
峠を下った所のセブンイレブンに寄る
タカと私はとりあえず降りて外で一服
運転していたすスタッフは降りずにそのままシートに沈み込みため息をつき一言
は〜・・・ ダルい・・  もうだめだ
首がおかしいらしく一生懸命揉んでいた
結局運転できなくなりタカが運転して戻った・・・
複数の霊を同時に見たのは初めてだった・・・
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一人が全員に飛び移ったのか複数がそれぞれに憑こうとしたのかは定かではない
一つ確かなことは
二度とあそこに行くことは無い

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