-第5話- 【 運命 】
運命、それは生まれた時からすでに決められていると言う。
ナポレオンはピラミッドの中で、壁画にまるで映画のように
自分の生まれてから死ぬまでのすべてを見ると言う不思議な体験をし、
運命を変えようと、ありとあらゆる手を尽くしたが、結局,運命を変えることが
出来なかったという。
  ”運命”  定められたものには従うしかないのか・・・

お客さんだった ”U”さん(以後 彼)は昔からよく知っている人で
食堂だった実家も、よく来てくれていました。
そんな彼は専業農家で日々田畑を耕すとてもまじめな人で、暗くなる頃まで
一生懸命働き、唯一の楽しみと言えば実家の食堂に来て
ちょっと1杯呑むのが毎日の習慣となっていました。
そんな彼がお決まりのように、いつもこんな話をしていました。
オレのじいさんは42歳の夏、田んぼの草取りの最中 雷に打たれて
 死んだんだ・・・親父も同じ42の夏の終わりにやっぱり草刈の最中、カマ
 に雷が落ちて死んだ・・・・・
 オレは死にたくない、だから42歳になって雷のなってる日は絶対に外
 には出ない、馬鹿みたいだろうけどやっぱり怖いからね

ウソのような偶然なんて世の中いくらでもある。
同じ年に同じような死に方をしている人々を探せば、いくらでも
いるであろうし、彼のおじいさんと親父さんの事故も例外ではないと
その時は思っていた。
それからしばらくがたった・・・
いつもなら来る時期なのに来なくなった。
2ヶ月経ち、3ヶ月経ったが来なかった
それから半年程経った頃
「そういえば、あの人来なくなったけど・・・どうしたかな?  まさか・・」
なんて言っていたら ひょっこり彼が顔を出した
「久しぶり  ついつい伸ばしちゃって」 元気そうだった
いつもなら話す”あの”話もせず他愛も無い話をしながら
カットを終えて笑顔で帰って行った
5日後、彼は雷に打たれて亡くなった!
その日たった一回落ちたその雷にうたれて・・・
彼が42歳の夏の初めでした
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信号が黄色から赤になる寸前、前の車に続いて行っちゃおうかと思いつつ
ま、いいや と止まったら、前の車が大事故を起こした。
たまたま寝坊したため、いつも乗る電車の脱線事故を免れた
 「偶然」や「たまたま」  ・・本当はシナリオ通りなのかも!
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