-第27話- 【 老婆 】
怖かった
ほんとに 怖かった
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地蔵峠、真田町から松代に抜ける峠
二十歳の時、ドライブに出かけることが休日の楽しみであり
休みごとに朝早くからよく出かけたものである
長野市から東信方面に行くのに、当時高速道路も無く、
近道として、いつものようにこの地蔵峠を利用していました
その日は実家に行くために朝峠に入り、頂上でトイレに寄り
そのまま峠を抜けて実家に行きました
修行先の門限がPM9:00なので、PM7:00には出ないと間に合わず
7:00過ぎた頃家を出ました
夜の地蔵はいつものことながら、あまり好きではなく
一気に駆け抜けようと考えていました
真田からの直線を抜け、第一カーブから峠に入り、
1,2軒の民家を過ぎると後は松代まで家は無く、寂しく狭い峠道になります
前にも後にも車は無く、心細さからテープの歌をデカイ声で歌っていました
登り最終コーナーでタイヤを鳴らしながら駆け抜け頂上へ
トイレにも行きたかったが、抜けるまで 我慢 我慢!
潰れたドライブイン廃墟を通過、下り始めてヘアピンを抜け少しの直線
またヘアピンカーブをぬけ終わった時、暗闇のライトに何かが・・・
     うわ〜〜〜〜〜  ”キキ〜〜”  ゴン
反対車線のガードレールに接触して止まった
  老婆である
[道の真ん中(センターライン上)にお婆さんが着物のまま正座しているのである]
しかも、手に 「釜」 まで持っている
これは さすがに怖かった!
目をつぶり、釜を持ったまま正座してじーっと・・・
行方不明?  迷った? 家出? 
一瞬で頭の中を あらゆる言葉が駆け巡るも、しかし
「釜」が決断させた、  置き去り!
反対斜線からお婆さんの横を抜けて走り出しバックミラーで覗いたら
その老婆、いつの間にかこっちを向いてるのである
何なんだ、何なんだ  いったい
どんなに走ってもバックミラーから老婆が離れない
そんな話が脳裏をよぎったがそのまま遠ざかりカーブと共に見えなくなった
一気に峠を抜け、皆神の下の機動隊横の公衆電話から警察に電話!
パトカー2台で捜索したが、老婆は何処にも居なかった。
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