-第25話- 【 透視? 】
 今回はかるーく 
              ミステリー
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2,3年前、お客さんで外国人の夫婦が来ていました
丁度家の息子と同じ年の子がいて、環境の違う日本で困ることも多いとかで
相談相手にもなってました
わりと気さくなその夫婦はいつも一緒に買い物など出かけていて
とても仲がよくほのぼのみてました
その旦那さんがカットに来た時、食生活の違いの話になり
彼らの国のカレーが日本と全然違うと言うので「たべてみたいな〜」
と言うと、「明日作るのでもって来る」と言うことになったのです
翌日夕方、鍋を抱えてその夫婦がやってきました
サロンで食べるわけにもいかないので、その時初めて部屋に上がって
もらい、テーブルや座布団なんかを人数分置くなど用意し始めました
「私達が全部用意するので座っていて」と言うので
彼らの国の作法でもあるのかなと思い、まかせる事にしました
お皿が出されご飯が盛られ、そこまでは普通
カレーは?
みたこと無い、不思議な半透明なスープ
どちらかと言えば緑色・・・
とりあえず一口、
”まずカレーの風味が口いっぱい広がって、そこに少し香草の香りがほのかに  ん?
     ひ  ひ  ひえ〜  か〜〜〜〜りゃ〜〜〜〜   からい〜〜”
その唐さは天下一品!
基本的に辛いものは好きなのでちょっと病みつき!
しかし、ほんとのミステリーはこの後
「子供用のストローでも出すか」と言った時、その奥さんが「もってくるよ」と言い
迷うことなくストローの入っている引き出しを開け持って来てくれたんです
 [あれ?  なんで場所知ってるんだろう ?]
さらに、コーヒー紅茶を飲むことになり また奥さんは迷うことなく
キッチン上段の棚を開けティーカップを出したんです
ガラスの扉の食器棚ならまだしも、台を使うほどの高さの、しかも
木目の扉なのに・・・?
シュガーが終わってしまい、買いだめしてあったシンク下の箱の中から
またまた迷うことなく新しいシュガーまで持ってきてくれた
     「  ・  ・  ・  ・  ・  」
思わず顔を見合わせてしまった
透視?
それから2ヶ月後、その外国人夫婦は佐久市内の某大型店で窃盗し
そこから不法滞在が発覚、強制送還されてしまいました
盗んだ量が半端ではなく、[米5キロ2袋,生鮮食料品ビニール2袋(大)、炊飯器]
スクーターのかごに米2袋ハンドル双方にビニールをかけ
荷台に炊飯器を箱ごと縛っているとき取り押さえられたそうです
余罪がかなりあったとかで、拘置期間もかなり長かったそうです
そう言えば旦那さんこんなことを言ってました
「私の国は500万あればプール付きの豪邸が建つんだ、私は800万貯めたから
 そろそろ国に帰ろうとおもってる」
彼は日本に来て3年、子供を未満時の時から保育園に預け月4万9千円払い
800万貯めるには・・・
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えっ?  ミステリーじゃない!
                    申し訳ございません

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