-第20話- 【 人魂 】
高校1年の時、私は卓球部に所属していて団体の部で関東甲信越大会に
勝ち進み、1泊である旅館に遠征していました。
初日の試合が終わり、負け越した私達は夕方旅館に戻り
夕食を食べ終え 自由時間でそれぞれ好きなことをしていました
私と同期の3人は ”一服” しようということになり、誰にも見つからない
場所を探しながら うろうろ
5階に泊まっているので 3階なら大丈夫だろうと 3階の隅のトイレに入り込み
3人で1つの個室に入りました
かぎを閉めて小さな窓から3人で顔を出し ピッタリ寄り添いながら
プカ プカ ・・・
上をみるとやはり2,3人   下を見ても1人2人 プカ プカ
他校も泊まっていて、皆考えることは同じ。
その時一緒に吸っていた1人が 「あれなんだ?」 と
その方向を見ると、まどから2,3メートル先に電線が張っていて
その電線に沿って 青白い光が目の前をゆっくり飛んでいるんです
       「人魂だ!」
上のトイレにいた奴らが騒ぎ出し 下の連中も 「なんだあれ」 と大騒ぎ!
その青白い ”人魂” はそのまま電線にまとわり付きながら、10メートル程浮遊し
電柱に行き着き ぶつかって消滅・・・
そのあとは旅館中その話で持ちきりだった
話には聞いていたが、ほんとに尾を引いているんだと 怖いながら妙に納得した
それから2年後、3年生になり毎日のように 怖い所めぐりをしていたある日の深夜
とある山腹にある霊園に立ち寄りました
やめればいいのに、車から出て男3人墓地の中を 夜中に歩いて1周
最後に真ん中あたりにきて一服、  そのとき
墓石と墓石の間の細い通路を ”ぼ〜” っとしたひかりが数メートル先を
 右から左へ ・・・
誰もしゃべらずに固まったまま!
正面まで来たかと思うと なんとこっちに向かってきたもんだから
      ワ〜 こっち来た〜〜
逃げまくり 墓地を抜け霊園の駐車場に止めてあった車に逃げ込む
2ドアだから3人目は窓から飛び込み 急発進!!
駐車場を出て その墓地の脇道を通り抜けるとき まだ ”人魂” は墓地の中でゆらゆら!
人魂と思っているが、人魂なのか そうではないのか
今となってはわかりません
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人間の骨の中にあるリンは外気に触れると発火することが確認されていて、
その昔 遺体を土葬していた頃はよく人魂として見られていたが
火葬する今ではほとんど見られなくなったと言う

このあと私達は祟りにみまわれることになった・・・  

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