-第1話- 【霊の声】 |
平成5年末、サロンをオープンしてまもなくからそれは始まった。 ある夜の就寝後、何かの話し声で意識は覚めたが 目は瞑った状態の私の枕もとで 小さな女の子がなにか囁いた・・・それに答えるように足元で男の子が囁いた びっくりして目をあけたが誰もいない! 妻に話したが、そう言うたぐいの話を一切信じてないので本気にしない。 数日後、部屋にいたとき私の足を何かが踏んで通り過ぎていったがそのことは妻には 言わなかった。 ところが同じ経験を妻もしていたのである。 はじめは気のせいと言っていた妻もだんだん気味が悪くなってきたらしく 「この家なんかいるみたい」と言い出した。 当時飼っていたペルシャ猫も、深夜になると天井に向かいしっぽをふくらませ威嚇するようになり さすがに怖くなった私は神棚を作ったりもしたが、効果はないまま・・・ そのピークは突然でした! 深夜番組が終わりの頃、お決まりですがやはり時間は1:50分過ぎ 家の外で ドン とかなり響く音がしてビクッ!とした私達は、連日の怖い思いから 2人で恐る恐る外に確認にいくと、ウッドデッキの隅に置いてある洗濯機のフタが転がっていました 「まあ外れることもあるさ」と直して寝室のある2階に戻り布団に入ろうとした時また ドン と音が・ ・ ・ さすがに怖くなり、下には行かず2階の窓から覗いたんです 深夜なので当たり前なんですが、真っ暗なんです 2.3メートル先も見えないほど、 いつもならみえる向かいの家もまったく見えないんです・・・ その直後 ! 窓越しの私の目の前で ぉ〜い (とても低く響く男の声) 「わー」 と慌てて窓を閉めカーテンをひき布団にもぐりこんだ私に「どうしたの?」と妻! 時同じく部屋中に響く金属音! 「なに?なんなのこの音」と妻、 空中で何かが一瞬光る、 バチバチバチバチとスタンガンのような電子音 生木を折るようなピキッパシ音 そしてベランダの無い2階の窓を「コンコン」「コンコン」! 結局明け方まで続き、一睡も出来ず放心状態。 その日を境にラップ現象は、だんだん収まりつつあるが、7年たった今も何かが横切ったり サロンで仕事中に2階で歩くような音がし、お客さんが「2階で子供元気だね」と言うが、 昼間はおばあちゃんに預けている為誰もいないのである。 あの夜聞いた「ぉーい」と言う、低音で響くなんとも言えないあの声は 今でもはっきり耳に残っている。 |