-第18話- 【 憑依 】
私がサロンの経営を始めて半年ほどたった頃の出来事です
古い友人が訪ねて来ました
学生時代の懐かしい話で盛り上がりました
2時間ほどして「また来る」と言って帰っていきました
それからは予告どうり、ちょくちょく来るようになり、いいお客さんにもなってました
暑い夏の日の午後、いつものように来店した彼が突然変貌したんです
サングラスをかけたまま、他のお客さんの前に突然立ちはだかり
体をぶるぶる震わせながら早口に 何かまくし立てるように言いまくり
落ち着きがまったくなくなって、まるで別人!
「どうした?  大丈夫か?」 の問いにまったく答えず何かべらべら言い続け
突然紙とペンを持ち出すと何か一心不乱に書き出して、スケッチブック5枚を埋め
今度は外に飛び出し、自分の車に乗り込みクラクションを3分位鳴らしっぱなし・・・・・
何がどうしたのか、お客さんとしばらくボーゼン
車から出てきた時、サングラスをはずした彼の顔を見て驚きました。
 [キツネそのもの!]
目がつり上がり口を尖らせて、そのまま帰っていきました
その後 彼は消息をたち、未だにどこにいるか分かりません
この6年間、目撃情報は2,3聞いたので どこかにはいるはずなんですが・・・

         彼が書いたうちの3枚↓
     

何かが乗り移ったとしか思えない出来事にとにかく驚きました
ただちょっと気になったのは、ちょうどその時彼が引っ越した新しいアパートが
某稲荷神社のすぐ近くであり、そこは昔から云われがある所でもあるのです。

戻る
Copyright (C)1999-2003 office hiro