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| 第8章 迷走
「必ずユリを捕まえてやる!」幸一は鬼の形相で走っていた まず変装をしなければと、意外に警察署から近い作業着専門店に入った 年寄り夫婦が営んでいるその店は幸一にとっては都合が良かった トレーナー姿の男でも別にどうとも思わない レジに座り横に置いてある小さなテレビを見たままの老夫婦 その隙に一着の作業着上下を試着室にそーっと入れる そしていかにも派手なニッカズボンをレジまで持って行き試着しても良いかと聞く おばあちゃんがにっこりしながら「どうぞ」と言った 申し訳ないと思いながらも試着室で作業着を着てその上からトレーナーの上下を着た ちょっと分厚くなったがそのまま試着室を出た幸一は陳列棚から顔だけ出し ニッカズボンを右手で見せながら「派手すぎてだめですね〜」と言う おばあちゃんはやはりにっこりした そしてそのまま店を出た。 直後トレーナーを脱ぎすて近くに止めてあった車を盗みその場を離れた 車の中に小銭が多少あったので、公衆電話からユリの携帯番号に電話をかけてみた 出る訳ないか・・・・ 「もしもし・・・」 !でた 誰だ・・・男の声だ・・・ 「あっ!もしもし! あの・・・えっと・・ユリあ! あなただれ? ですか・・・」 「そちらこそ誰ですか?」 「あ・・すみません、私その携帯を使っていた女性の知り合いなんですがそこは何処ですか?」 とにかく場所を聞き出そうと必死だった! 「これは娘が使っていた携帯ですが・・・・」 「事情は後で話します、そこの場所を教えてくださいとにかく急を要するんです」 「来ても娘はいませんが」 「とにかくその携帯電話が必要なんです僕の人生がかかってるんです そこは!場所は何処ですか!」 いきなりあなたの娘が人を殺したなんて言えない、ましてその携帯が証拠だとは・・・ とにかく今は携帯を手に入れるのが先だ! 幸一のあまりの勢いに押され父親であろうその男は住所を言った その住所に聞き覚えがある気がしたがそれ所ではない 脱走している身、とにかく自分の無実を晴らす証拠の一つでも無いと・・・ 盗難車を走らせながらその住所に向かう途中 懐かしい風景を思い出した そういえば恵の家もこの方向だったな・・・通夜の日以来だなこの辺り・・・ ! この住所って! 恵の家だっ! |
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