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| 第4章 恵の影
「今日ね、ちょっと買い物に出たの、偶然幸ちゃんを見たんだ」とユリ 「へ〜 どこで? 声かけてくれれば良かったのに」 夕食後2人でテレビを見ながらそんな話になった 「誰かと話をしていたから悪いと思って・・・」 幸一は思い出した、午後取引先へ書類を届けようと向かっている時偶然 取引先の顔見知りの女性社員とバッタリ出くわした事を・・・ 手間が省けたと内心喜びながら書類を渡し、しばらく立ち話をした 「あ〜、取引先の人だよ 書類渡したんだ」 別にやましい事も無い幸一は別に気にせずテレビを見続けた。 テレビに顔を向けたままユリがつぶやいた 「ねえ、恵と付き合っていたでしょう」 「!!えっ・・・」 「彼女自殺しちゃったけど今でも思い出す?」 幸一は言葉を失った なぜ知ってるんだ?話した覚えは無い!知り合いだったのか?いつから知ってる・・・ 体が固まる幸一に静かにユリはつぶやいた 「隠さなくていいのよ別に」 怒っている様子でも無い声に少し気が楽になった幸一は恐る恐る聞いた 「何で・・知ってるの? 知り合いだったの・・・」 「私がやめた会社に恵もいたの」 「えっ! 株式会社○○?」 「そう、同僚だったの」と微笑んだ ユリは囁くように話を続けた 「恵何でも私の真似をしていたのよ、憧れていたみたい・・・私に。 私が髪型を変えると同じ髪形にしたし、私が好きになった人を好きになるし 私が食べる物を食べるし、私と同じ服装・アクセサリーをつけるの 毎日私の部屋に来ていたし いつでも一緒に居たがったの、その頃本当困ってたの私 何か病的な物を彼女に感じたわ! そう言う人っているのよね、世の中には 幸ちゃんも先に私が好きになったのよ、あのバーで見かけてたの でも恵が横取りしちゃったの 別れた事も知っていたんだけど、恵の手前遠慮してあげていたの でも自殺しちゃったし、いない人に遠慮する事もないし バチが当たったのかもね ふふ」 突然の話であまりの驚きとショックから言葉が出ない幸一 ユリは話を続けた 「恵、精神的な薬一杯飲んでたでしょ、精神科に入院していた時期もあったのよ 何か幻覚を見たり、居もしない人がさも目の前にいるかのような言動が多くて 会社でも恵にはかなり困っていたみたい 一度なんか社内で”現れないで”って暴れだした事もあったのよ」 「 ・・・ 知らなかった・・・そんな酷かったんだ、付き合っていた時には・・・ そんな状態に ・・・なった事なかったし」やっと幸一が口を開いた 話はそこで終了した、ユリはいつもと変わらない表情だったが 幸一は複雑な心持でベットに入りいつまでも眠りにつけないでいた。 翌日いつものように会社に行ったが顔色の優れない幸一に同僚は心配した 「おまえ顔色悪いぞ! 大丈夫か?」 「ああ、別に大丈夫大丈夫・・・」 「てゆ〜か・・・最近本当に痩せたぞ!鏡で顔見てみろ」 それまで気にもしなかった幸一は初めてその言葉を受け止めた 午前中外回りは無く溜まった書類の整理をしていた 休憩時間トイレに行った幸一はそれまでまともに見もしなかった自分の姿を鏡で見た 別人と思うほどげっそり痩せた自分の姿に初めて気が付き驚いた なんで・・・こんなに痩せたんだ?確かに最近良くお腹は空くが毎日しっかり食事もしているし お昼なんか前より沢山食べるようになってるのに・・・・ |
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